うじゃうじゃ、もそもそ、、
私たちの美味しいマイ(米)ライフを脅かす、お米に湧く虫について、今日は少し詳しくお伝えします!虫たちの特徴を知って、お米を虫から守りましょう!
米の虫①:お米大好き「コクゾウムシ」
私たちが大好きな美味しいお米!虫たちもそんな美味しいお米を狙っています。
お米に湧く虫には色々な種類の虫がいますが、なかでも最も多いのがコクゾウムシです。
画像出典:害虫 害獣 駆除 体験談
米などの穀類に湧くことが多いため、「穀ゾウ」という名前がつけられているほど、お米が大好きな虫です。
コクゾウムシの幼虫は芋虫のような形状をしていて、大きさはおよそ1mmととても小さいため、なかなか幼虫のときに発見することは難しいです。
成長すると2.1~3.5mmぐらいになり、色もパッと見て黒っぽいので見つけやすく、黒い虫がウジャウジャしているのを見たことがある方は、このコクゾウムシにやられた可能性が高いです。
発育が始まる最低の温度は14.4℃(発育零点)、有効積算温度は440日度です。
発育に最低必要な温度の限界点(発育が進まなくなる温度)を発育零点と呼んでいます。変温動物の害虫はこの発育ゼロ点以下では発育が進まないことになります。
そして、発育ゼロ点以下の温度は発育に関係ないものとして、その発育ゼロ点を差し引いた温度を発育に有効な温度とし、その積算した温度を有効積算温度と呼び、日度であらわします。有効積算温度が低い害虫の方が早く発育します。
象のように長い口(鼻ではなく口なんです!)で穀物に穴を開けて産卵。お米から孵化した幼虫もまた、お米を食べて成長します。
米の虫②:ネバネバ糸出す「シメマダラメイガ」
また別のケースでは、お米を取り出そうとしたら一部が塊になっていたことがある方はいませんか?
それはメイガの幼虫であるシメマダラメイガの仕業です。
画像出典:暮らしーの
幼虫がサナギになろうとするときに、糸を出して米同士をくっつけているため、このような塊ができています。米が塊になっていたら、シメマダラメイガの幼虫、若しくは孵化した成虫がどこかにいる可能性がかなり高いです!
発育が始まる最低の温度は10.8℃(発育零点)、有効積算温度は599.5日度です。
また幼虫は赤褐色の粒状の糞もするので、何か小さい粒があったらそれはシメマダラメイガの幼虫の糞かもしれません。幼虫は包装容器を食い破って侵入できるほどかじる力が強いので、お米を買った時の袋のまま放置はするのは危険です。
米の虫③:顎モンスター「コナナガシンクイムシ」
最後にもう1匹!強靭な大顎でお米を狙うその名もコナナガシンクイムシ。
画像出典:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
穀物の表面に産みつけられた卵から孵化した幼虫が穀物内に食入し、穀物内で成虫まで育ちます。
お米の中や、胚乳を食べて成長するため、精米・洗米時に壊れやすくなります。
また、大量発生するとカビが生える場合もあります。
発育が始まる最低の温度は17.5℃(発育零点)、有効積算温度は388.5日度です。
成虫も強烈な大アゴで穀物を噛み砕くので、これまたお米を買った時の袋のまま放置はするのは無防備すぎてコナナガシンクイムシにターゲット・ロックオンされてしまうでしょう。
今回の3つの害虫の中だと、シメマダラメイガの発育零点が10.8℃と一番低い
=10.8℃以上で発育できる!ということなので、より温度には注意が必要です。
虫の弱点
卵として最初からお米にいたり、お米の袋を食い破ることもできる虫たちですが、そんなやつらにも弱点があります!それが温度!
上の説明した通り、虫には「発育零点」があり、虫達は低温に弱いのです。
どの虫も10℃以下では発育、増殖ができません!
逆に、温度が高くなると活発に発育、増殖してしまうので20℃以上になる5月頃〜10月までは特に注意が必要です。
最適な保存場所は冷蔵庫!
お米を冷蔵庫に入れるメリット
①虫の進入を防げる
②10℃以下だと虫が発育、増殖できない
③お米の酸化を遅らせ、おいしさ長持ち
冷蔵庫での保存が最適ですが、さらに言うとペットボトルやジップロックなどの密閉容器に入れて冷蔵庫に入れることがベストな保存方法です。
最近では、お米保存用の密閉容器が生活雑貨メーカーなどからも販売されているので、お気に入りのアイテムを選んでみるのもいいですね!
まとめ
・お米の中から孵化する虫や、米袋を食い破って進入してくる虫がいる!
・虫は10℃以下だと発育、増殖ができない。逆に20℃以上だと活発に発育、増殖する!
・お米の最適な保存方法は密閉容器に入れて、冷蔵庫保存!
・きちんと保存して、美味しいお米ライフを送ろう!飛騨の産直の美味しいお米はコチラ
引用:日本産昆虫,ダニ,線虫の発育零点と有効積算温度 (農業環境技術研究所資料 第21号)
syngenta 害虫の活動と有効積算温度の関係